神話探訪 日向の国高千穂から奈良橿原へ

壮大なドラマで彩る【 記・紀 】神話の世界 その足跡を訪ねる

その11 山幸彦を祀る鹿児島神宮

話は大分それたが、その後の山幸彦の話である。 ( 石體神社社殿 ) 山幸彦は兄弟の争いが鎮まり世の中が穏やかになった頃、現霧島市隼人町の地に宮を構え、その地の経営にあたった。その宮の跡が鹿児島神宮の北東300mの所に鎮座する石體(せきたい)神…

その10 山幸彦、海神の国から帰還する。

( 山幸彦が海神の国から帰還したと言われている宮崎県青島海岸 ) 山幸彦が海神の国へ来て3年がたとうとしている。 【日本書紀】では山幸彦の様子を次のように綴っている。 海神の国は楽しい所ではあるが、やはり望郷の念があり、時に大きなため息をついた…

その9, 山幸彦(ヒコホホデミノミコト)   兄海幸彦(ホノスソリノミコト)との争いとトヨタマヒメとの結婚

( 薩摩半島最南端 長崎鼻 竜宮神社の境内から撮影 ) 早朝の長崎鼻に立った。汐の香りとさわやかな海風が心地よい。白い灯台、青い海と空、天気の良い日にはこの灯台の遥か先に屋久島や硫黄島を望むことができる。 そして此処からヒコホホデミノミコトとトヨ…

その8、ニニギノミコトを祀る神亀山 新田神社

( 新田神社本殿 ) 新田神社の参道は、神亀山から真っすぐに南にのび、川内川の堤につきあたる。 江戸時代まではここに船着き場があり、川から直接参道に入れたようである。参道入り口には大きな楼門があった.(三国名勝図絵より)。 楼門をくぐるとすぐに一…

その7、ニニギノミコト終焉の地 薩摩川内

( 薩摩川内市を東西に流れる川内川。滔滔とした流れは左方10kmほどで東シナ海に注ぐ ) 熊本県あさぎり町の白髪岳をその源とし、宮崎県、鹿児島県を通り、東シナ海に注ぐ。 九州では筑後川に次ぐ137kmの第2の長流である。 ニニギノミコト一家は海上…

その6、 ニニギノミコトの結婚と三皇子の誕生

( 野間半島ドライブコース ) 笠狭に落ち着かれたニニギノミコトの様子を【古事記】から拾ってみよう。 『 ある時、海浜を歩かれて、一人の乙女に逢った。ニニギノミコトは「お前は誰の子か?」と仰せられた。 答えて 「私はオオヤマツミノカミの子で名はコ…

その5、 ニニギノミコトの日向巡行

(大隅半島道の駅錦江にしきの里から対岸薩摩半島を望む。遠く開聞岳に沈む夕日) 高千穂の峰に降り立ったニニギノミコトを「古事記」では『 痩せて不毛の国から丘続きに良い国を求めて歩かれ吾田の長屋の笠狭の岬にお着きになった。そしてニニギノミコトは…

神話探訪  日向の国高千穂から奈良橿原へ    《 目  次 》

その1 はじめに その2 天孫降臨 天孫ニニギノミコト 日向の国高千穂に降臨する その3 天の逆鉾 高千穂峰の頂上に立てられている鉾、誰が何のために? その4 霧島神宮 ニニギノミコトを祀る国の重要文化財 その5 ニニギノミコトの日向巡行 その6 ニニギ…

神勅(しんちょく)とは ?

3大神勅とは ニニギノミコトが高天原を出発するに際し、天照大神は孫のニニギノミコトに対し3つの命令を下した。 ニニギノミコトに対し 「天壌無窮(てんじょうむきゅう)の神勅」・・葦原の瑞穂の国は、我が子孫が王となるべき地である。行って治めるがよ…

三種の神器の歴史

「 草薙剣(くさなぎのつるぎ) 」 スサノウノミコトが高天原を追放になって、出雲の国の簸(ひ)の川上におくだになり、八岐の大蛇(やまたのおろち)を退治した時にその尻尾から出て来た剣である。 その剣をスサノウノミコトは高天原に戻り、天照大神に献…

 天の沼矛とは

日本の国土が出来る以前の話(神話)である。 伊邪那岐命(イザナギノミコト)・ 伊邪那美命(イザナミノミコト)の二柱の神は、高天原の神々から 「 この漂える国を修め理り(つくり)固め成せ 」 とのお言葉があり、天の沼矛(あめのぬほこ)を賜ってこれ…

その3、 天の逆鉾  高千穂峰の頂上に立てられている鉾 誰が何のために?

( 高千穂の峰、頂上に、天の逆鉾が見える。 ) ( 高千穂峰頂上の天の逆鉾 ) ( 高千穂河原ビジターセンターに展示されている天の逆鉾のレプリカ ) この逆鉾を誰がいつ頃建てたのかはさだかでない。 ” イザナギノミコト・イザナミノミコトが日本の国土を作…

ニニギノミコトの降臨に際し随伴した神々

ニニギノミコトに随行した神々 〇 天児屋命(アメノコヤノミコト) ・ ・ ・ 中臣氏の祖先 〇 布刀玉命 (フトダマノミコト) ・ ・ ・ 忌部氏の祖先 〇 天宇受売命(アメノウズメノミコト) ・ ・ 猿女君の祖先 〇 伊斯許理度売命(イシコリドメノミコト) …

その4、霧島神宮 ニニギノミコトを祀る国の重要文化財

( 三の鳥居、奥にうっすらと本殿を拝する ) 朝7時過ぎ、霧島神宮の参道。 風もなくシーンと静まりかえった中、出勤する巫女さんの下駄の音、職員が使う竹ぼうきの音、遠くに聞こえる鶯の声、それ以外の音は何もない。まさに別の世界である。 高天原から葦…

坂本龍馬の手紙全文

龍馬が薩摩から土佐の姉乙女さんに出した手紙の全文。 . (この手紙は高千穂河原ビジターセンターに展示されている現代語訳を書き写したものである。)

その2、 天孫降臨  天孫ニニギノミコト、日向の国高千穂の峰に降臨する

( 前方左、夕日に映え神々しくも屹立する霊峰高千穂の峰・道の駅霧島から撮影 ) 夕日を浴び周囲の山々を圧し、ひときわ存在感を放つ山容にしばし圧倒される。 自宅を出て<道の駅霧島>に着いたのが、すでに太陽が沈みかけた頃である。 明日からのハードス…

その1、はじめに

( 宮崎県えびの市水流菅原神社大鳥居 ) 日本の歴史書の中で最古のものは、【 古事記 】【 日本書紀 】(以降 記・紀 と表記する) である。 日本神話はその冒頭で語られている。 最古と記したが、実はもっと古い歴史書が存在した。【 天皇記 】【 国記 】で…